照井 最近、、ダイナソーｊｒ好きだけどねぇ。
ー最初に聞いたのは、、
照井 今年の5月かそれくらいかな。ディレクターが「これあげるから聞いてみ」ってさあ、で、聞いたの。（恐らくGREEN MIND）それがきっかけ。それまで全然名前とか知らなかった。
ーどうでしたか、最初の印象は。
照井 カッコ良かったね。大体さあ、聞いてさ、自分の気持ちが動くのって少ないんだよね、中々無いんだよね。だからその、ダイナソーを初めて聞いた時には、「オッ！？」っと思った。メロディラインとかさあ、あとギターの音とかさ、全体のグルーヴ？が、凄い良かったっていうかさ。新しいバンドとかなんか、ジャケットとかいいヤツがあると買ったりするけど、全然いいのが無くてさあ。で、そういう時に聞いたから余計なんか「カッコいいわ」と思って。
ーどういうとこに彼らの良さがあるんだと思います？
照井 演奏自体はそんなにうまいとは思わんけどね。ただその、テクニックとかそういうのを超えたノリがスゴイ出とって。で、歌もそんなにうまくないんだけど、その人で独特の歌い方っていう感じがしてさ。真似事っぽくなくてさ、凄いオリジナリティがあって、、なんと言っても強烈だったのはメロディラインかな。ボーカルライン。あとギターもさ、なんかゴチャゴチャしたようなさあ、下手くそみたいなギターを弾くんだけど、たまに凄いいいメロディを弾いたりしとってさあ、それがカッコ良かった。
ー誰か他のアーティストと共通点を感じましたか？
照井 だから音がすごい、ハードな割には、、ハードなんだけどメロディが軟弱、、軟弱っていったらおかしいな、キレイ？うん、ハードなのになんか美しい部分を持っとるバンド、うん。前に聞いたことは、、そういうのは無かったかなあ。ただああいう、、映画音楽にさあ、さわやかな音楽あるじゃん。【明日に向かって撃て】のテーマソングとかさあ。そういうメロディアスな音楽。ああいうのが思い浮かんだっていうかさ。
ーさわやかな感じ？
照井 さわやかだけど、さわやかの前に、ハードな感じ。凄いグルーヴがあってロックンロールっていう感じで。で、その中に美しさが出ててキレイな感じで、、
ー自分が今やってることにヒントになったりしたんですか？
照井 直接的にはヒントになったりとかしてないだろうけど、、。そういうのって意識して「こういう曲を作ろう」とか思ったりはしないからさあ。ただ聞いて楽しんでるって状態。ただ飽きずに聞ける音楽かなあ。なんか全然飽きん、うん。
ー気持ちいいって感じ？
照井 気持ちいい。イギー・ポップも好きだけど、、なんていうのかな、イギー・ポップを聞くと、なんか気持ちがガーッってはまってくるんだけど、ダイナソーはなんか、落ち着いて聞くって感じかなあ。落ち着いて聞ける音楽っていうのは、例えば映画音楽。映画音楽で一番好きなのが、【真夜中のカウボーイ】に入ってる、ニルソンの【うわさの男】。あの曲はむちゃくちゃ好きだなあ。
ーアメリカの田舎町をブッとばすみたいな。
照井 そうだね。そういうのが結構好きでさあ、それでカントリーとかを凝って聞くってことはないんだけど。ただ、そういう音色が好き。ギターの音色とか。
ーどうしてそういう音楽に惹かれるの？
照井 、、自分の頭、単に休めたいんじゃないかなあ。ゆったりしたいっていうか。なんか仕事のこととか曲のこととか色々考えて頭疲れてる時に、そういうのを聞くと一息つけるって感じ。
ーダイナソーもそんな感じ。
照井 うん、激しいんだけどさ、クールなんだよね、なんかボーカルが。
ーうん、ギターの音はすごく激しいけどボーカルはフニャフニャしてるよね。そこんとこがすごいシニカルっていうか、パンクみたいにワーッといきたいんだけど、なんかでも、結局何やったって無意味なんだっていう虚無感があるっていうか。
照井 ああ、そういうとこに惹かれたんじゃないかな。なんか、今までそういうバンドが無かったような気がした。
ー自分が音楽やるにあたって、そういう虚無感ってありますか？
照井 無い(笑）でもそういう気持ちは少しはわかるっていうか、、あまり深くはわからんかもしれんけど、なんとなくそういう、、なんか、パンクロックでさあ、演奏も激しくてさあ、わめき散らすようなボーカル？ま、今考えるそっちより全然こっちのが音楽性高いし、いいやと思う。
ー今の時代には、そっちの方がずっとリアルだよね。
照井 うん、、そうかな。そうだね。政治的なことなんか歌っとらんけど、今どきそういうこと歌うバンドなんか、共感できんもんね。不満ばっか言っとる音楽は、俺は好きじゃ無い。なんか、、気持ち？感情とかさ、そういう人間性、人間が持っとる単純な感情とかさ、歌っていきたいよね。世の中間違っとるけど、それ以前に、その人間が間違っとると思うんだわ(笑)人間が作っとる世の中じゃん。その感情の欠如だと思うんだよね、戦争にしても何にしても。
