ー まずは第一印象から語って頂きましょう。
中村 最初に会ったのは、１５～１６歳の時かな。名古屋の芸術劇場で浅井に「なんて名前？」って俺が聞いたらしい(笑)覚えてないけど本人が言ってました。
照井 ディスコに友達と２人で行っとったら、いきなり近寄ってきて「バンドやっとんの？」って話しかけてきたのが浅井。なんだコイツ、軽いヤツだなって思った(笑)あとで、友達の友達ってことがわかったんだけど、最初は軽かったよ(笑)
ー 少々意外な発言ではありますが。
中村 あいつという人間がわかるまでには、ながぁーーーーーい時間がかかった。
ー ブランキー素人のワタシにとって、浅井クンがいつまでたってもナゾな人間なのは、もしかして当然のことなのでしょーか。
中村 あいつはヘンなヤツやからなぁ。
照井 （ひたすら爆笑）
ーどんな風にヘンなんですかね。
中村 しゃべってるうちに、いきなり「じゃあタツヤ、おまえリンゴの気持ち、わかる？」とか「タツヤは今、何色？」とかすごい質問するんだよ(笑)俺にはリンゴの気持ちはわからんって(笑)
照井 （笑い転げる）
中村 あいつはようわからんヤツで、女が苦手とか言っときながら、ライブハウスの前にいる女の子とかに「どっから来たの？」なんて声かけてるし。俺とテルちゃんは恥ずかしくて声かけられないから、いいなぁと思って見てたんだよ、昔(笑)
照井 変わってるなぁって思ったのは、服のセンスがすごかったの。あいつの姉ちゃんが小５の時に着てた赤いチェックのBDシャツを「カッコイイでしょ」って着てきたときはスゴイと思った(笑)丈とか短くてピチピチなのに
中村 クリエイティブな人だとは思うよ、俺は。たしかにあの人はモノを作る才能はあると思う。ただ、ぶっとんどるだけで。
照井 あいつは、周りに流されるってことがないから。他のことから全然影響されないっていう意味じゃなくて、ヘンに影響されないっていう。常に自分の感性でカッコイイと思ったものを着てってるわけだからね。あいつ、周りのことなんか気にしてないですから。
中村 うん。
照井 あいつ自身は全然変わってない。
中村 あいつ、誤解されやすい人間だと思うんだよ。
照井 ああ、そうそう。
中村 俺だって、あいつ理解するのにホント１０年はかかったもん。あいつはまだ子供なんだよね、いい意味でも悪い意味でも。子供って平気で人を傷つけたりするじゃん、悪気が無いから。そういうところで、誤解されたりするんだよな。
照井 でも、長いこと付き合ってると、そういうヤツなんだってことがわかってくるから。
中村 そうそう(笑)一緒におるとわかってくるんだよ。ああ、こいつはただ単に素直なだけのヤツなんだって。あいつの作る歌にしてもさ、あれはあれで素直な歌なんだよ。
ー ♪ネコが死んだぁーっていう歌、あれも素直な歌なんですか（素朴なギモン）
中村 そうよ。俺も初めてあいつの歌を聴いたときは「えー！？ヘンなヤツ」って思ったよ。何か狙って作ってんのかなって。でも、あいつって人間がわかってくるにしたがって、これは何も意識してない自分の歌なんだってことに気づいた。あいつは素直なだけなの。ああいう生き物なの。
照井 何か意識してバンドやってる人って多いでしょ？このリフは誰それのギターを真似してみたとか。あいつは、そういうことしないし。何もかもがオリジナルなんだよね。それで、そんなあいつと一緒にバンドやっていくことで、俺自身もオリジナルが出せればなっていうか、出していかれるかなって。多分タツヤもそうだと思うけど。あいつは、他のメンバーのオリジナルっていうか。その人の持っとる可能性を引き出す力があるのかもしれん、、ボーッとしてるけどさ(笑)
中村 (笑)人をやる気にさせる力があるかもしれんな。他人に刺激を与えるっていうか。俺も昔、精神状態が危なくなって、かなりボロボロになってたときに、あいつのステージ見て、刺激受けたし。自分にとっていったい何が大切なんだろう？ってことが全然わからなくなっちゃってさ、そのときに浅井のステージ見たら、目がキラキラしてんだよ。真剣でさ。素晴らしいと思ったね。感動したもん。
照井 純粋なんだよ。だから俺、あいつと２人でいると、純粋な話ができる。普段だったら恥ずかしいと思うような話でも、あいつとはできる。日本人ぽくないのかもしれんね。日本人っていろんなことを気にしすぎるけど、そういうところないし。
中村 あれにはあれの独特な感性がある。やっちゃマズイことってあるじゃん？あいつ、それがわからないんだもん(笑)俺たちがが潜在意識に刷り込まれたようなことが、あいつには通用しない。、、あいつ、悩みないのかな(笑)でも逆に、何ものにも毒されてないところが素晴らしいと思う。
照井 うん、だから、さっきも言ったけど、あいつのそういう子供っぽさをうらやましいと思うことがあるよ。
